そして・・・・・・本当の事故・・・・・・が襲いかかったのは、それから一週間後だった。


『うっ・・・・・・父さん・・・・・・ひっ』


涙も止められず、毎日泣いていた。


そして、泣き止んでから、母さんを探しに行ったんだ。


そしたら、台所から声が聞こえてきた。


『ねえあなた・・・・・・ごめんなさいね。大和と、あなたが帰ってきたら、ご馳走作るって約束してたのに』


母さんの声だ。


悲しみに飲み込まれたような声。


『あなたは、立派な人だったわ・・・・・・だから、大和みたいに素敵な子が生まれたのよね・・・・・・?』


母さんっ・・・・・・!


母さんのもとへ駆け寄ろうとしたとき、消え入りそうな声でこう聞こえた。


『大和、ごめんね・・・・・・』


何が・・・・・・何がごめんねなの?


『あなた・・・・・・今行くわ』


え・・・・・・?


『かあさ・・・・・・』


―――グシュッ


『・・・・・・え・・・・・・あ・・・・・・!』


飛び散った血、赤く染まる母さん、手には握られた包丁。


そして、目を開けたまま動かない。


今・・・・・・なに、が・・・・・・?


『母さ・・・・・・ん?』