「でしょ?…昨日やっと見つけたんだ。」
そう言いながらふふって笑って見せると、
近くに来て隣に座った本宮君。
「多野はさ、サボり?」
「うん。」
即答で返事をすると、
どこか寂しそうな顔をして笑われた。
それから何時間たったのだろう。
でも、少なくても2人で6時間はずっと座ったまま。
次のチャイムで授業も終わる。
少しだけオレンジ色になった空。
夕日の光が私達を照らしていた…
空と同じオレンジ色に。
だからだと思う。
余計に口の中に広がる苦がさや、酸っぱさが強くなった気がした。
心がポカポカしていて…懐かしいものが染みてきて。
きっと、私にとっての想い出のような、痛みや暖かさ。
楽しくて、それが辛くて。
幸せで、それが苦しくて。
私が初めて知った、今まで解らなかった感情。
それは、思っていたよりも私の心に光を宿した。
だけど、それと同時に暗い闇も着いてくるのだと知った。
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