それからの事。
あっという間に1週間がたった。
退院は2日後には出来たものの声は戻らず。
本宮君との関係も今まで一緒に居た事が嘘のようだった。
というか、よく聞けば家の用事だとかで学校に来ていないらしい。
海ちゃんが教えてくれた。
「本当に家の用事だと思う?」
質問付きで。
[そうだと思うけど。じゃなきゃ嘘をつく理由がわからない。]
私がそう書いて見せると可愛い顔を歪ませた。
眉間にしわを寄せ、プクリと頬を膨らまして。
「…私見たもん。彼方が女の人と夜、一緒に歩いてる姿。」
その時は…
[お母さんとか、お姉さんとかじゃないの?]
何にも考えてなかった。
異変に気付いていたのに自己満足の為、見て見ぬフリをして。
「彼方のお母さんは今、海外で暮らしてるんだよ。それに確か姉なんていない。」
ぐるぐると回り出している小さな小さな歯車は次第に連なり、大きくなっていく。
…私のせいで。