ドキドキと高鳴る胸の音。
ウズウズと心が疼いて…
ピアノの前奏が始まり、
奏でられる音の中。
黄色い歓声が聞こえる。
それだけで心がフワリと踊り出して、
ピックを持つ手に力を込めて、ジャラーンとギターを鳴らす。
足でタンタンとリズムを取りながら、
小さくスッと息を吸って歌い出した。
貴方に届くように。
あの甘酸っぱくて…だけど、苦くて苦くて。
そんな想いをもつ自分が嫌になった。
だけど…そんな期間限定の日常の中で築き上げた関係もあって。
今、私がここに立っていられるのも確かにそのおかげで…
あの辛くて、悔しくて…たまらなく苦しい日々も。
あの楽しくて、嬉しくて…たまらなく幸せな日々も。
私にとって大切な思い出で、
オレンジの様に酸っぱくて、
チョコレートの様に甘かった。
「すーこしだけでいいのー…そーばに…いられたらって…」
最後まで…私の人生の最後まで。
歌うんだ。
そんな全ての想いを込めて。
歌うんだ。
小さな小さな貴方への、
恋の歌。
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