「大丈夫、危ないからシャワー中にエロい事しないから。
ちゃんと部屋に戻って、ベットの上でするから心配しないで」
「えっ!?」
真面目な話しが脱線しかけた時、瑞希君が笑いながら病室に入ってきた。
学校帰りに直接来てくれたみたいで、見慣れたいつもの制服姿だった。
「こらこら、大ちゃん〜
ここ4人部屋なの忘れてない?
おばちゃん達すいませーん。
やりたい盛りの年頃なので、許してやって下さーい」
私の病室は4人部屋で、全てのベットが埋まっている。
全員私の母よりも年上の女性だが、似た症状の人もいて話しも合うし、仲良くさせて貰っている。
毎日通ってくる流星ともすっかり親しくなり、
本当は面会はデイルームでしないといけないのだけど、
病室に居ても気にしないと言ってくれる。
皆気さくでいい人達。
それでも、病室内で
「する」だの「やる」だの言わないで欲しい…
瑞希君は悪びれる様子もなく、
「はい、差し入れ〜」
と売店に売っている、小さな紙パックの“飲むヨーグルト”を一つ手渡してくれた。
それから流星の手を引っ張りベットから下ろし、
代わりに自分がベットの上に腰掛けた。
「この眺めいいねー
ベットに横になる紫ちゃん見てると、襲いたくなるよねー
大ちゃん相当我慢してるでしょ?
ベットの上に2人で居るのは危険じゃない?」
そう言われ、慌てて起き上がったけど、
いくら流星でも、病室内でエッチな気分にはならない…
そう思っていたのは私だけだった。
流星は大きく頷き、深い溜息をついた。
あ…
溜息つく程、我慢してたんだ…
そういえば、室温の高い病室内で急に「寒い」と言い出し、
腰回りだけにコートを掛けてた事があった。
やたらと麻痺側の右肩が凝るので、ベット上で流星に揉んで貰っていた時は、
胡座(アグラ)をかいた股の上に、何故か枕を乗せていた……
あれは、流星の息子君が反応していたからだったのか…
う〜ん、確かに相当我慢させてたみたい。