「難しい言い方されても分かんねーけど、

紫に嘘なんか付かれたくねーよ。

気を遣ってんなら止めてくれ。
そんなのお前らしくねぇ。

はっきり言えって。
お前は俺にどうして欲しいんだ?」




流星も大樹も、私の希望を叶えようとしてくれる。

それを感じて、やっと私は正直な気持ちを話した。




「私…大樹と離れたくない…

ずっと一緒に居たい…


今までみたいにバカ言い合って、時には助けたり助けられたりして、どんな事でも話せて…

大樹の側にいると、ホッと気を緩める事が出来るの。

大樹は私の大切な……
えーと…」




「大切な親友、幼なじみ、そんで…弟か?

気遣うなって言ったばかりなのに、言いかけて止めんじゃねーよ」




「大樹…」




「それでいい。

俺はお前の隣で、ずっと親友で弟をやってやる。

一生笑ってやってやる。

だからさ…お前も笑ってろよ…


流星、紫と一緒に生きてくなら、俺がセットで付いてきちまうけどいいか?」




「セットって、ハンバーガーショップみたいな言い回しだな。

“紫の側にはいつも大樹がいる”
そんなの5年前から分かってる。

セットメニューの紫に惚れたんだ。離れると言われた方が戸惑う」




「流星……
はぁ…敵わねーな。

俺だけだせぇじゃねーか、
くそっ…」






大樹にやっと、いつもの彼らしい笑顔が戻った。



流星も優しい笑みを浮かべていた。



私は…嬉し過ぎて涙が溢れた。



ありがとう…流星……

ありがとう…大樹……



2人は私の切望する未来を与えてくれようとしている。


私は2人に何を返せるだろうか…


それはきっと、これからの命題になるんだろう…