大樹と見つめ合う。
無言の間が数秒続き、それから大樹が恐る恐る、私に聞いた。
「本当か…?
お前をこんな目に合わせても、まだ俺に側にいて欲しいと思ってくれんのか?」
「それは…」
まだ迷っていた。
私を好きな大樹に、親友として家族として、ずっと側にいて欲しいなんて、
そんな酷いこと…
迷う私を流星が説得する。
「答えを間違えたら駄目だよ。
大樹は紫の本心を聞きたがっているんだ。
大樹を思いやり心にもない事言っても、それは決して彼の為にはならない。
紫が笑顔でいてくれるなら、大樹は辛い現実を乗り越えられるよ。
彼の力は君が一番よく知ってるよね?
大樹は強くなれる…
君の為なら何だって出来る。
そして、紫の望みを叶える事が、これからの生きる力にもなる筈。
分かるよね?
同情されて心にもない事を言われても、大樹の為にはならないんだ。
そうだろ大樹?」