凹んでいる暇はない!それからバタバタと旅行準備。

 4年ほど使っていない小型のボストンバックを押入れから引っ張り出して、あれやこれやと入れていった。元々私は必要なものが少ないので、バックはすいた状態でチャックが閉められる。

 さて。

 ドキドキしたままでベッドに入る。

 ・・・私今晩、ちゃんと眠れるかな・・・。

 目を閉じて、しばらくごろごろするけれど中々眠れない。無駄かもしれないと思って羊まで数えてみたけど324匹数えたところで疲れてやめてしまった。

 疲れたのに眠れないってどういうことよ、ほんと。

 ・・・うーん・・・今晩ちゃんと寝ておかないと、明日は朝から疲れた状態になってしまう・・・。それだけは避けたい。元からよく倒れるのに、それでは折角の旅行も台無しで、龍さんをがっかりさせてしまうかもしれない。

 それに・・・旅行となると・・・。

 今晩姉が色々言っていた言葉が私の頭の中を駆け巡る。大人なんだし流石に私だってそのくらいは判っている。龍さんのことは確かに好きだし、手を繋ぐだけでは物足りないって思うことだって、正直私だってあることもある。だけどだけど・・・彼のあの手に触られる――――――――――

 きゃー!

 布団の中で一人で悶えて、余計に目が覚めてしまった。

 だからだから、もしそれまでに私が疲れきって倒れてしまったり、熱を出したりしてしまったらちょっとなあ!と思うのだ。何としても睡眠は取らなければ、そう思っていたのだった。