ちょっと残念に思ったけれど、そうか、週末でゲートボールのおじいちゃん達も居ないから、拾う人が居ないのだな、と気付いた。
「一緒にやっても時間かかるだけだし、うーん、俺こっち側から回るから、ジュンコさんあっちから回ってくれる?それで池の向こうで鉢合わせパターンで」
「あ、いいね、それ。じゃあ宜しくです」
「うす!」
龍さんがパッと手を出した。は、ハイタッチ、なのかな?私は一瞬躊躇したけれど、彼の手に自分の手をあわせる。
ニヤリと大きく笑って、龍さんが言った。
「ここで思いっきり叩けないのが、ジュンコさんだよな~」
「う・・・す、すみません」
だってもし違ってたら恥かしいもの・・・。呟くのは心の中だけにする。
じゃあね~、と龍さんが手を振って、自分のゴミ袋を持って背中を向けた。私はついその後ろ姿をじいっと眺める。・・・すらっとしてて・・・肩幅も広くて。いいなあ、頑丈そうな体。あの長身でゴミなんか拾ったら、腰痛めそうだよね。
大丈夫かな、と心配になる。だけれども彼の姿が緑の向こうに消えてしまうと、よし、と気合をいれて自分の足元に集中することにした。
結構目につくわ。早く取ってしまわないと、また別の誰かが捨てる―――――――――――――