そんなわけで、川原から私の家まで戻る。途中のお店で龍さんがゴミ袋と缶コーヒーを買っていた。ゴミ拾いの仕事終わりの一杯、今日はこれ、と言って。

「うちに来たらコーヒーくらい・・・」

 私がそう言うと、一瞬チラリと振り返る。

「コーヒー飲むだけじゃ、済まなくなりそうなんで。さっきから言ってるじゃん。それとも手出してもいいの?」

「う」

 だ、ダメよ。お店の中で顔が真っ赤になっちゃうわ。私がそう思って一人で苦しんでいると、出入り口に向かいながら龍さんがだらだら~っと歌うように言った。

「じゅ~んこさ~んって、むぼ~びですよねえ~」

 ・・・ああ、私ったら。

 多少悔しかったけれどいい返すことは出来なかった。置いていかれないように、急いでついていく。


「ああ、今日は多いなあ」

 第一声がそれだった。

 ここのところ、今日の為に姉に外見改造されていた私は、ゴミ拾いにこれてなかったのだ。ちょっと日数をあけたのは初めてだけど、来てみると小さなゴミが目立った。

 一つも落ちていない時は相乗効果で更にゴミが捨てられることはないが、誰かが捨てると後は簡単に増えていくものだ。あーあ、折角最近は綺麗になってたのに。