「藤川!!」

「あぁ?」

振り返ると中学時代の同級生、マキが俺を呼んでいた。


マキの後ろに俯き加減で立っている美桜がいた。

その姿を見た瞬間、俺の目には美桜しか映らなかった。


俺の前にいるマキも、
廊下で話しているヤツらも景色にもならない。



「ちょっと頼みがあるんだ・・」

「な、なんだよ」



まさか美桜が俺と友達になりたいとか?

まさかまさか!
俺と付き合いたいとか??

俺の頭は暴走しまくり。




「藤川の友達さ、美桜に紹介してほしいんだ」


美桜がマキの後ろからひょっこり顔を出して、「お願いします」と軽く頭を下げた。