校門を潜り抜けた時、女子の鞄から薔薇が落ちた。



「あっ・・おい!」


間一髪で薔薇を踏みそうなのを避けた。



「えっ・・あ、ごめんなさい」


赤い顔をした女子が振り返り俺を見て、にっこり微笑んだ。

薔薇についた砂を払って、大事そうに鞄に戻した。



「あなたも新入生?」

「そうだけど・・」



チャイムの音がして俺達は慌てて体育館に向った。