どんどん成長していく美桜は、百合子によく似ていた。



美桜を見るたびに百合子に会いたくなって

あの時、下した決断は間違っていたんじゃないかと思うこともあった。

でもそう思うことは美桜の存在を否定してしまうことに繋がる。


そんな態度がさらに美桜を追いつめた。




高校生になった美桜は僕の前で笑わなくなった。

僕はまた大事な人を失ってしまうんだろうか。


親子なのに僕と美桜の距離は遠かった。







「おかえりーお父さん!」


会社帰りの僕を呼ぶ美桜を見て、思わず立ち止まってしまった。