おしゃべりな大人がいるもんで、親戚達の話を美桜は聞いてしまったらしい。(後で知ったことだが)



「あの子が百合子を殺したのよ!!」



そんなこと、小さな心で受け止められるわけがない。

百合子の本当の気持ちは僕だけが知っている。


でもそれが美桜を追いつめてしまっていた。





それから美桜は薔薇を、お小遣いで買って百合子の墓参りに行くようになった。

僕は勘違いしていたんだ。


美桜が「母親」という存在を、百合子を受け入れてくれたんだと。