僕達の子供は世界一、可愛いに決まっている。


でも、僕は百合子のこの笑顔を失いたくなかった。

いつまでも、そばで笑っていてほしい。


だからもし、百合子か子供、どちらかを選ばなければいけなくなったら、僕は迷わず百合子を選ぶ。




百合子のお腹は次第に大きくなっていった。



「ねぇ、亮ちゃん子供の名前あたし考えたの!」

「どんな名前?」

「ミオ、美しい桜で美桜」

「まだ女の子だって決まったわけじゃないだろ?」


僕は苦笑いで百合子に聞いた。


「ううん、絶対、女の子だと思うの♪」

「ははっ、いい名前だね」

「でしょ?」


百合子は満足そうに頷いて見せた。