僕だって百合子との子供が欲しい。


でももし、それが百合子の命を縮めてしまったら?

僕は百合子と引き換えに子供を抱けるだろうか?



百合子は僕が頷くと、「よかった」と言って笑った。




結婚生活2年目を迎えたとき、百合子は妊娠した。

その時の百合子は本当に嬉しそうで・・・涙を流して喜んだ。



「あたしの中で二つの命が生きてるんだよ。

あたしの命はきっと短いだろうけど、今はあたしの命とこの子の命が一緒に生きてる・・」


優しい顔でお腹を撫でる百合子はもう母親の顔だった。

僕ももちろん、嬉しかった。