『女の幸せは、価値は、家庭を守ることにある』 それが父の口癖だった。 弁護士の父と政治家の娘の母。 あたしは不幸だったわけじゃない。 他の家よりも裕福だったし、何一つ不自由したこともない。 小さい頃からお茶、お花、料理・・・・ 女として必要とされることは、全部母に教えられた。 『女は家庭を守ることが仕事なのよ』 これが母の口癖。