†紗月SIDE†

くっ…まさか、一回魔法を使っただけでこれほどとは…。

流石に鍛えていたとは言え二、三回が限度だな…


柚は俺の近くからザクンデュスの後ろに飛んだ。

それと同時にマラソンを走り終えた時のような疲労が全身を襲う。

盾は魔力を殆ど使わない。

なのに、その盾すら維持できない程に疲れが襲う。


また、柚が魔法を使う。

柚は剣を出し、ザクンデュスの心臓を突いた。

〜ッ!!

盾が消えてしまう…。

甜花と由衣はザクンデュスが刺されたにも関わらず攻撃を止めない。

………バイバイ…柚…



†柚SIDE†

「兄さん!?」

俺は兄さんに駆け寄ろうとした。

〔駄目だよ…戦わなきゃ〕

不意にザクンデュスに殺されたはずの仲間の声がした。

「…みんな」

〔紗月の分も戦わなきゃ〕

〔全く…あんた達兄弟は危なっかしいんだよ!!心配し過ぎて天界から降りて来ちゃったじゃない!〕

〔ほらほら、闇は封印しちゃいましょ♪大丈夫。皆居るよ〕

「うん。ありがとう皆…『ニアモ ロトシ マヒ ヌワロル キアギス』」

光・命を使い闇を封印する。真実を我に与えたまえ。

空から一筋の光が降りて来た。

「もぅ、終わりだ…」

光は地上まで降りると爆発したように一面を埋め尽くした。

そして、身体が消えていくのを感じた