最寄り駅には優雨がケータイをいじりながら待っていた。
「あ!優雨〜!おはよー!!」
大きくブンブンと手を振った。
「ちょっとやめてよ、みんな見てるよ、恥ずかしいよ。」
「あ、ほんとだ。恥ずかしー!」
自分では分からないが声も大きい方らしいから会話のいちいちもよく目立つのだろう。目立ったところで気にしないたちだが。
「外部ってどんな子入ってくるのかな。うちら中学からずっと一緒じゃん?なんかその雰囲気壊されるのなんかやだよね。」
「ほんとそれ!外部なんてなくていいくらいだよ!」
優雨とは中1の頃だけ同じクラスだった。大きな喧嘩をしたがその後はなぜか仲が深まり今ではこの通りだ。
ローファーの音がアスファルトに響く。
春の太陽で輝いている。
高校生活が始まる
そう思った。