「岩本、この布を佐藤の身体の大きさの衣装にできるか?」
「うん。
お裁縫なら得意だから任せて!」
衣装の布、BGM、クッキーはどうにかなった。
でも問題がひとつ。
佑斗ファンの女子が動いてくれないことだった。
「お前ら働けよ!」
佑斗がそう言うとはーい!って言いながら私を睨みつけ、働いた。
でも、私の指示には一切従ってはくれなかった。
…佑斗ファン恐るべし。
背筋に悪寒が走るほど、恐怖を感じた。
ただ、この場に佑斗がいることによって、場は落ちついている。
「でも1人じゃ難しいかも。」
「じゃあ松波に手伝ってもらえよ。
あいつお裁縫得意だし。
いいよな?松波。」
『え、あ、うん。』
松波さんはクラスの中でかなり大人しい子。
そんな子のことまで知ってるなんて、佑斗はすごい。