「じゃあさ、佑斗との恋はどーなのよ?」


う゛。


「……何も……ない。」


蚊の鳴くような小さな声で私は答えた。


「ほらー!!!
行動に移さないといつまで経っても恋は実らないよ?」


「だってー!!」


「だってもくそもない!
佑斗を他の女に取られてもいいわけ?」


「……それはイヤだ。」


「だったら自分から動かなきゃ。
時間だけ刻一刻と過ぎていくだけだよ?
これから先、佑斗が他の女とつきあっても、いいの?」


……そうだった。
“時間は刻一刻と迫っている”
私の脳内でこの言葉が木霊した。

私にはもう、あと1ヶ月しか残されていない。


月夜に、“自分の恋を叶えたい”ってデカい口叩いたくせに何も変わろうとしてなかった。


変わらなきゃ。
前に進まなきゃ。
大好きな彼に思いを伝えられないまま、死んでいくなんて、イヤだ。