「それは諦めろ。
俺に選ばれたお前が悪い。」
そ、そんなぁ。
これはもう……人生最大の危機なのではないだろうか。
……って言っても、もうすぐ終わってしまうのだけれど。
「……絶対に手だけは出さないでね!!」
「さぁ、どーだろうなぁ?」
間を入れずに返ってきた言葉に、私は絶望するしかなかった。
「本っ当さいってーっ!!!」
「サイテーで結構。」
月夜の背中を叩きながら訴える私を月夜は全力でスルーしていて。
「月夜のバカーっ!!」
「はいはい。」
夜の闇に私の声が響きわたっていた。
月夜と出会ってまだ1日しか経っていないのに、すごく長い時間を過ごしたような気分だった。