「月夜!」
「なんだ?
そろそろ気が済んだか?」
「いや、まだなんだけどさ。」
…まだなのか。
俺はあからさまに嫌な顔をした。
女の買い物って長いんだな…。
「月夜、少し目を瞑ってくれる?」
「は?なんでだよ。」
「いいから早くー!」
「…たく、しゃあねぇな。」
俺は少し怪しみながら目を閉じた。
「少しじっとしててね。」
「はいはい。」
気配で夢希が俺の後ろに回ったのを感じた。
刹那、俺の首筋にヒヤッとした感覚があった。
「冷てぇっ」
「はい。目あけていいよ。」
俺は夢希に言われたとおり目を開け、違和感を感じた首筋に目を向けた。
するとそこには、男物のネックレスがついていた。