「…彼女は賢いな。」


夢希が消えると、三月さんはそう呟いた。


「彼女の言うとおりだ。…月夜が魂を送り続ける限り、お前は短い時間だが、夢希に会うことができる。…ただ、自ら天国に出向くことはできない。」


一生会えないわけではない。
そう思えるだけで心の靄がすっと晴れた気がした。


好きだからこそ、夢希を追うのではなく、好きだからこそ、俺は生きて、魂を送り続ける。


それが、俺の使命なんだ。


俺は、夢希に会うために魂を送り続ける。


夢希を愛しているから───