俺は、夢希からもらったネックレスを握りしめた、すると───
『月夜。』
どこからともなく、夢希の声が聞こえてきた。
「夢希…!?」
『うん、私。』
「どこにいる!?」
俺は、夢希の姿を探し、当たりを見回した。
『…今、私はいないよ。
声だけ。…月夜も前にそのペンダントによって私の前に姿を現してくれたでしょ?それと一緒。』
私の買ってあげたネックレス、すごいね。と夢希は苦笑してる様だった。
『まさか、あの月夜が泣くなんて思わなかった。』
「俺だって、泣くことになると思わなかったよ…」
『本当に、もう会える方法はないんだね。』
「…ああ。」
『そっか。』
もう、夢希とは会えない。
俺が死神として生まれた以上、これは定めだ。
『ねぇ、私ね。
月夜と会えないのは残念だけど、月夜に出会えたことに後悔はしてないよ。』
『だから、月夜だけでも生きて。
たくさんの魂を、あの世に送り続けてほしい。…もしかしたら、その時に少しだけでも会えるかも知れない。』
「……俺、なんでガキって言われ続けてきたか、わかった。」
全部、俺の思い通りになってた。
でも夢希と会って、上手くいかなくて。
いつの間にか、染まっていた。
夢希色に。
でも、夢希の言うとおりだと思う。
俺が、魂を送り続ける限り、天国の門で、会えるかも知れない。
そりゃ、少しの間かも知れないけれど。
「そう…だな。」
『そうだよ。
私、会えると信じて待ってる。』
だから、消えようなんてしないでね。
夢希はそう言い残すと消えていった。