俺は、夢希の魂をあの世に送り届けた。
それは、永遠の別れを意味していた。
夢希…お前に会えてよかった。
お前もきっと、そう思ってくれてるよな。
現実の世界では、病院内に無機質な機械音、夢希に関わった人たちの悲鳴だけが響いていた。
「お前が自分で自分を刺さなければ、こんなに多くの人を苦しませずに済んだというのに、そんなに俺に会いたかったのかよ。…バカな女。」
俺のことなんか気にしなければよかったのに。
俺が消えればいいって、少しも思わなかったアイツを尊敬する。
……ただ、夢希が消えた今、
ポッカリと穴が空いたように、何もかもを失ったような…そんな感情に捕らわれていた。