「あなたの人生、めちゃくちゃになっちゃうんだよ?
私を殺して、佑斗が振り返ってくれると思う?」


「振り向いてもらえるどころか、嫌われる。そしてあなたは警察に捕まる。
それでもいいなら、殺せばいい。」


私の言葉に、佑斗が続いた。


「千佳はいい子だ。
お前がそんなことしないって俺は信じてる。…だから、やめろ。」


「…私は…っ」


私たちの言葉に、千佳ちゃんは怯んだ。
その隙に、私は千佳ちゃんの手から刃物を奪い取った。


そして、自分の胸元に、その刃物をあてがった。


「おい…岩本…何して…っ」


「夢希…ちゃん?」


「ごめんね、佑斗。
きっと、私を死なせたくなくてずっと守ってくれたんだよね?…ありがとう。」


「ねぇ、千佳ちゃん。
千佳ちゃんにとっては偽りの友情だったかも知れない。でも私は千佳ちゃんと過ごした短い時間、楽しかったよ。
あなたを犯罪者には…しないから。」


そして、絵里。
最期の挨拶ができなくてごめんね。
ずっと私を支えてくれてありがとう。
絵里は世界一の親友です。
絵里がいたから、楽しい日々を過ごすことができたよ。ありがとう。


…今から大好きな人の元に向かう…。