「夢希ちゃん…大丈夫…?」
そんな様子を見ていた千佳ちゃんが私に近づいてきた。
「千佳ちゃん…おはよう。」
「…おはよう。
みんなが怖くて反応できなくてごめんね…」
千佳ちゃんは申し訳なさそうにそう言った。
「ううん、大丈夫。
それに、佑斗が助けてくれたから。」
「夢希ぃ!!
アンタ、よく言ったわ!!」
突然絵里が私に駆け寄ってきて、抱きついた。
「わあ!」
私は慌てて絵里を抱き留めた。
「私もそろそろなんか言ってやろうと思ってたときに自分から言ったから、かっこよかったぞ!」
「私、あんなこと言われて黙ってるようなタイプじゃないってよく知ってるでしょ?」
「まあね。
それに、佑斗も、夢希を守ってくれてありがとう。」
「こんなことされて、黙ってるわけにはいかないだろ。」
「そりゃそうか。
好きな女子がイジメられてたら助けられるのは当たり前か。」
「今は“大事な友達”だけどな。」
そう、私たちは大事な友達同士。
絵里も、千佳ちゃんも、佑斗も。
「みんな大好き!」
私はそう言った。
そうすると、絵里も佑斗も…笑ってくれた。
千佳ちゃんは笑っていたけど、なぜか目が笑っていない気がした。
なぜかは…わからない。