「おはよう」
いつもなら私の挨拶にみんな反応してくれるはずなのに、今日は絵里と男子の一部しか反応を示さなかった。
男子が反応すると、
“アイツも岩本の愛人なんじゃない?”
とか意味の分かんない言葉が飛んできて、その男子も、口をつぐんだ。
その言葉に言い返そうと一歩前に出た。
「ねぇ。」
「なによ。」
「ふざけないでよ。」
「はあ?ふざけてんのはどっちよ!!」
「どう考えてもそっちでしょ!!!」
私は曲がったことが大嫌いだ。
だって、私は何も悪いことなんてしてない。
ましてや、挨拶を返してくれた男子は何も関係ない。
私の叫び声で、女子たちは少しひるんだようだった。
でも、すぐに私に食いついてきた。
「アンタが悪いに決まってるじゃない!!!!
みんなの佑斗を、奪おうとしたのはアンタじゃない!!!」
「佑斗は誰のものでもない!!!
佑斗が誰を選ぼうと、それは佑斗の意志じゃん!」
「アンタ、佑斗に告白されたからって頭に乗ってるんじゃないわよ!!!」
女子のトップは私に手を出そうとした。
打たれる、そう思って瞬発的に目を閉じた…
だが、いつになっても痛みは来なくて、目をそっと開けると、目の前に女子の手を掴んだ佑斗が立っていた……