すると夢希はびっくりして俺の顔を見た。
「まさか…!」
「じゃあ何で、告白に応えなかった。
俺や佑斗の他に好きな奴がいたのか?」
「いないよ…!」
間を入れずに夢希はそう答えた。
それを聞いて、俺はニヤリと笑った。
「へぇ。
佑斗と“俺”は好きなんだ。」
あえて俺を入れたのは、夢希の気持ちを気づかせる為。
夢希はしまった…!と言った顔をした。
きっと、心の中のモヤモヤを認めたくないんだ。
…それは俺も同じ。
だからこそ、俺は自分の世界に帰るんだ。
夢希が佑斗を好きになろうが、俺を好きになろうが、関係のない話。
結局は死ぬ運命。
ただ、俺がその定めを変えなければいい話なのだから。
「まぁ、お前が誰を好きでいようが構わない。
俺は、今から自分の世界に帰るから、また1週間後だな。」
俺はそう言い、自分の世界に繋がる異空間を出した。
「ま、待って…!」
すると夢希の声が、俺の足を止めさせた。