「…ただいま」


私は重い気持ちで家に帰ってきた。


「おかえり、夢希。」


すると、いつも通りに月夜が私を出迎えてくれた。
そのことに少しホッとしている自分がいた。


「佑斗に告白されて、なんでOKしなかった。」


ホッとしたのも束の間、なんの間も入れずに、月夜はそう言いはなった。


「…なんで…知って…」


「俺にはすべてわかる。
全部の情報を把握した上で、お前を連れて逝くんだから。」


「そう…なんだ。」


私はそれ以外、何も言えなかった。
だって月夜は全部知ってる。
きっと、私が死ぬ理由も。


「…知らぬ間に運命を変えちまったか…」


月夜は私に聞こえるか聞こえないかくらいの程度の声でそう呟いた。


私の運命って、何…。


教えてよ、月夜───…。