とにかく彼女にもう一度会いたい……。
そう思ったオレは、親友の風太に相談してみることにした。
「モテモテ神崎君にしてはちっせぇ悩みだな」
なんて、思いっきり嫌味を言われたけど。
でも、最後には真面目に相談に乗ってくれる意外と頼もしいヤツなんだ。
しかも詳しく説明してみると、風太の兄貴の彼女があの子と同じ高校だということが判明した。
「兄貴たち、正真正銘のバカップルで見てるとイライラすんだけどさ。
今度ソイツに聞いてみようか?
名前とか学年とか…なんか知ってることは?」
「……ない」
オレの答えに、風太は呆れたように大きなため息を吐いた。
「それじゃあ聞いても無駄だな」
「……だよなぁ」
――あの日彼女に出会ってから、
早くも1週間が経とうとしていた。