お化け屋敷の中をどんどん進む。
学校の空き教室を使っているから、
広さなんてたかがしれているが
どうも迷路形式の道のりで
なかなか出口までたどりつかない。
「腹減った」
「俺も」
俺がそう呟くと、周も賛同した。
飽きっぽい性格は、お互い様らしい。
しかし、見えるのは
血のりやら、びっくり箱やらで
噂の人形ですらいっこうに現れない。
はぁ、とため息をもらしていると……。
「おい、あれじゃね?」
周が少し声をひそめながら、指差した。
そこには、何個かの机を並べて
白い布を被せたベッドの上に横たわる……人形。
「いや、人間だろ」
内心ツッコむように言った。
俺たちは足を止めた。