息を切らしながら
私の方へ近づいてくるのは、
見間違うはずもない
楓君でした。




「はあ…はあ…
…大丈夫??…。恋ちゃん。」

私の隣に腰を降ろし、
息が切れたまま
私に問いかける楓君。

「だ、大丈夫だよ!
それよりもよく私の場所わかったね。」

クラスが一緒だったのかとか、
飛び出して来て大丈夫だったのかとか
いろいろ質問したい事が山積みで
何から質問していいかわからず
なんだかどうでも良い事を質問して
しまったなと…少し後悔です…。


「うん。
恋ちゃんが教室を飛び出して
結構すぐに出て来たからさ。
普通に走ってる恋ちゃんを追いかけて
きたの。」

笑顔で話してくれる楓君。

新しいブレザーのせいか、
楓君がますます凛々しくなったように
思えます。