「…いえ、なんにもありません。」
「…そうですか?
なら良いのですが…。」
また私はすぐに俯いたので、
それを言った薫先生の表情は
わからなかったけれど…。
イラつく。
作ったような笑顔に
作ったような同情……。
私は、全てが嫌になって
気付いたら
教室を抜け出していました。
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ざわざわざわ…
「はーい!皆静かにー!
きっと彼女も緊張しているんでしょう!」
「でも、いくら緊張してるからって
飛び出しますかねえ。」
「…さあね。
可笑しな子もいるものですわ。ふふっ。」
…バンッ!!!!!!!
「…………」
「黙れよ、うるせーんだけど。」