「順二君っ、お待たせっ」

はあはあと息を切らしながらやって来た彼女。


わあお、本当におっとりしてて可愛い。
順二、ナイスじゃないか。

「……泉、彼女来たから行くな、俺」


「あ、うん」


「邪魔して悪い、それじゃ」


何がなんだかわからない彼女は私と聖にぺこりと挨拶すると、順二と並んでカフェを出て行った。


……ああ、カフェで彼女とお茶したかっただろうに。
ごめんね、順二。

順二と彼女の姿を目で追っていると、それを聖が阻止した。


強制的に顔を掴まれて聖の方を向かされた。


「……………」


憮然として聖を見ると、さっきの不機嫌はどこにいってしまったのか、にっこにこと口を緩ませていた。


「チーズケーキ、食べていい?」




私の顔を掴んだまま、聖はそう言った。


………ん?
チーズケーキ……?


ああっ、頼んだチーズケーキ?


「だっ、ダメっ」


「もーらいっ」


「うわっ」



聖は素早くフォークを手に取ると、ケーキを口に放り込んだ。