聖の言葉に目頭が熱くなる。


ここまで。


ここまで、聖の闇は深かったんだ。


「………俺、死にたかったんだよ。
何で死なせてくんなかったんだよ」


「!!」



私はそう呟く聖の胸ぐらを掴むと、思いっきり。



ゴンッッ!!!



「いでっ!!!?!」


頭突きをかました。

聖は額を抑えながら、私を睨み付ける。


「……死にたかった、だって?!」


「…………」



こんなにも怒ったことがない。
聖の復讐に利用されたって。


何か理由があるんだって。

怒りよりも、心配で、不安で。


「聖が自殺未遂したって尚子から聞いてっ…どれだけっ、どれだけ!」


泣きたくないのに、気持ちとは相反して涙が頬を伝う。


「涙、出るなって!!」


私はそう叫びながら、乱暴に手で涙を拭う。


「聖の過去がどれだけ辛くて、暗くて、振り返りたくないことばかりだって……」



聖はまだ、額を抑えながら私に圧倒されてるのか黙ったまま私の言葉を聞いていた。