ぐちゃぐちゃに絡まる思考。

「……バカっ!バカやろー!!!」


言い様のない苛立ちが私を襲う。


………後悔。

もっと聖の話を聞いて。
闇に触れるべきじゃないって線引きしないで。

崩れ落ちそうな聖を、抱き締めてあげれば。



「生きてなきゃ許さねーからなー!!!!」


涙が滲みそうになるのを堪えながら、私は叫んだ。


バイクをぶっぱなして到着した病院。
尚子から聞いた部屋に走って向かった。

病室の扉をけたたましく開けて、私は飛び込んだ。


「…………尚子…」


「……いずちん…」


いつもはばっちしメイクの顔も、今は涙でぐちゃぐちゃだ。
学も、私を見ると俯く。

それが私に嫌な予感を巡らせる。


「………ひ、じりは?」


一歩、一歩。



前へ踏み出してるはずなのに。
酷く、足が重い。


「……………うぅっっ」


尚子が、また涙とマスカラやアイライナーでぐちゃぐちゃの顔をハンカチで覆った。


それを見て一気に私から血の気が引いた。