☆初デート・水族館☆




待ち合わせ場所の水族館前に着くと
魁斗が突っ立っていた。


あのままあそこで過労死するのを待ってやろうという
考えもないことはなかったが私は
考えた末に魁斗に向かって手を振った。


「かーいーとー!」


「おーやっと来た…、か…!?」


私の方に目を向け途中で言葉を詰まらせる
魁斗。


「?どしたの?」


「…可愛すぎるんだけど」


セミの鳴き声が五月蝿くて私の耳に
魁斗の声は届かなかった。


魁斗に近寄って私はもう一度聞く。


「どうしたの?そんなユデダコみたいな顔して。」


ユデダコ。