先生から病室を出ろと言われ
俺は屋上に来ていた

柚乃が倒れた時…
俺が動くより先に龍真が動いていた

ぐっと握った拳に力が入る

また守れなかった…
結局昔と同じなのか…

自分自身に腹が立つ

そんな時…

ガチャン

後ろで扉が開く音がした
一瞬後ろを振り返る

「やっぱりここだったんだね」

そう言って
扉を開け入ってきたのは先生だった

「追い出してしまってごめんね…
柚乃ちゃんに少しだけ話してきたよ
黙っていてほしいってお願いだったけど…
ごめんね」

そう言って先生は眉を少し下げながら笑む

以前柚乃が倒れた時
俺は先生に本当のことを言わないでほしいと頼み込んだ
柚乃の状態が悪かったこともあって
渋々といった様子で了承してもらった

少しだけ話した…ということは
全ては話していない…ということなのだろう
どこまで話したのかはわからないが
柚乃のはの性格上、背負い込むに決まってる

俺はすぐ柚乃の所に行こうとした

「ダメだ!」

先生が大声で叫ぶ

「何故ですか!
今柚乃の心は不安定な状態なはずです
側にいなきゃ
また塞ぎ込んでしまいます」

「不安定な状態だからだよ」

さっきとは真逆で先生はそう静かに呟いた