入り口に近づくにつれ微かに声が聞こえてきた
その声から女子と話しているんだとわかった

アイツも隅に置けねぇーな
転校初日にして...

そう思いながら公園の入り口から道路へ出ようとしたその時
俺の目に映ったのは
「無理すんな」と優しく声をかけながら
柚乃の頭をぽんぽんと撫でている龍真の姿だった

すぐに龍真の胸ぐらを掴んで
「何してんだよ」そう言ってやりたかった
だけど、実際は頭の中が真っ白になって
どうしたらいいのかわからなかった

そんな中2人の会話は続いていて...
だけど今の俺には柚乃の声も龍真の声も耳に入ってこなかった

なんで2人が一緒にいるのか...
考えても思い浮かぶのは悪いこのばかりで
俺は必死にその考えを消そうとしていた

だけど
「あれ?遙!?
お前、先に帰ったんじゃなかったのかよ」

龍真の言葉で現実に引き戻される

「あぁ...柚乃を待ってたんだ...」

そう言いつつ柚乃の方を見る
柚乃の顔には驚き、焦り、恐怖...
そんな色が浮かんでいた