びっくりして後ろを振り返る
振り返った先に立っていたのは龍真くんだった

「「え?」」

2人の声が重なった

私はとっさに鞄を持ってドアの方に向かっていた
無意識に出た
「ごめん」という言葉
そして、その後逃げるようにして教室から出ようとした

すると

「待てって!」

龍真くんの声が背に刺さる

図書室での慧介に引き止められた時と状況が被りフラッシュバックする
龍真くんだとわかっていても慧介の姿と重なる
驚いて体が震える

私が驚いてしまったからか
龍真くんは黙ってしまった

私は少し怖いと思いつつも
黙ったままじゃダメだと思って龍真くんに声をかけた

「どうしたの?」

龍真くんは言いにくそうに
遙と一緒じゃないのかと聞いてきた

痛いところつかれたな...
今日は慧介と話すため嘘をついて先に帰ってもらった

「先に帰った」

私がそう言うと龍真くんの顔が強ばったのがわかった
何か言っていたけど、声が小さすぎて聞こえなかった