「「え?」」

2人の声が重なった

「ごめん!」

柚乃はそう言うと急いで鞄を持つと
教室を出ようと小走りに出入口の方に向かった

「待てって!」

俺はとっさに柚乃を引き止めた
だけど、すぐに後悔した

俺が引き止めた時
柚乃が肩をびくっと震わせていたからだ
怖がらせてしまったのかもしれない...
そう思うと、とても心が痛んだ

「あの...龍真くんどうしたの?」

俺が何も言わないから柚乃の方から聞いてきた

「あ、あぁ...
いや、遙と一緒じゃねぇのかなぁ...っと...」

俺は聞きたかったことを聞かず、そう言った
本当は振り返った時の柚乃の表情が少し曇って見えたから
どうしたのか聞きたかったんだけど...

俺の問いかけに対し、柚乃の表情はより曇っていった

「遙は...先に帰った」

「は?何考えてんだよアイツ...
ちゃんと守るんじゃなかったのかよ...」

「え?」

俺が小声で呟いたからだろう
柚乃には聞こえなかったみたいだった
その方が俺も都合がいいけど...

「一緒帰るぞ!
俺のこと怖いかもしんねぇけど
1人で帰るのは危険すぎる...」

俺はそう言うと急いで準備を終わらせ
後ろを気にしつつ教室を出た

来ないかな?っと思ったが
柚乃は俺と少し距離を取りながら後ろを付いて来ていた