「え、待って、何で泣いてるの?」

さっきまで顔を上げることすら怖かった筈なのに
泣いている慧介を見たらそんなこと忘れてて
自分から話しかけていた

「わりぃ...
何かこんなにも柚乃を苦しめてたんだなって...
わかってたつもりだったんだけど
いざ目の前で拒否反応出るとキツイなって...
自分が最低なことしたくせに勝手だよな...」

自分のやったことを悔やんで
私に向かって頭を下げてくれている
なのに私はどうだろう...
慧介との思い出に蓋をして
あの出来事から逃げて...

私も慧介に向き合わなくちゃ!
そう思って私は顔を上げ慧介の方をしっかり見た

私が真っ直ぐ見ているからなのか
慧介はあの日の出来事から今日までのことをポツポツと語り始めた