しばらくして細々した声で慧介は話し始めてくれた

慧介の話はコイツの昔を知らない人間からしたら
正直よくわからなかった
けど、1つだけわかったこと...

慧介は神崎 柚乃に"捨てられた"ということ

あの女...男の俺から見てもかっこいい慧介の何が不満だったって言うんだよ
俺から好きな人を奪って、慧介を傷つけて...
少し苛めてみるか？

｢じゃあ、バラしちゃえば？｣

誰かわからないけど
付き合っているヤツと別れろ
そして、俺達の気持ちをわかればいいんだ

俺とは対照的に慧介はあまり乗り気ではなかった

｢相手が相手だから別れないと思う...｣

相手が誰だろうと
神崎 柚乃のファンクラブのヤロー共がそいつに危害を加えるに決まってる
そうしたらどんなヤツでも別れたいってなるだろ...普通

俺は相手が誰なのか気になって慧介に聞いた

｢相手って？｣

｢唯賀 遙｣

慧介の答えには少し驚いたが
俺の中で1つのアイディアが浮かんだ