今日の朝、早く起きてしまい早目に学校へ行った
誰もいないだろうと思ったのに
3階から4階へ伸びる階段を上ろうとした時
横目に誰かの姿が見えた気がした
立ち止まってその姿を確認する
人影は1ーAの教室の前で止まっていた

ん?あいつ見覚えあるぞ?
確か転校してきた...蒼 慧介だっけ?
そんな名前だったような気がする...

初めは放っておこうと思った
だけど遠目から見てもわかる寂しそうな姿を見て
俺は自然と声をかけていた

突然声をかけられた蒼は驚いていた
容赦なく話しかける俺に初めは戸惑っていたが
徐々に慣れてきたようで
お互い気が合うとわかった俺達はすぐ仲良くなった

「俺は葉月 桜弥。
どっちが苗字でどっちが名前かわからないような名前だけどよろしく!
みんなには"葉月"とか"おう"とか呼ばれてるけど...
まぁ適当に呼んでくれて大丈夫だから」

「んじゃ葉月って呼ぶわ
俺は蒼 慧介。
俺の方も好きに呼んでくれればいいから」

「んじゃ俺は慧介って呼ぼーっと」

自己紹介が終わったところで
俺は慧介が寂しそうにしていた理由を聞いた

「なぁ慧介?
お前なんでこんな朝早い時間に来てA組の前立ってたんだ?」

俺の問いかけに慧介は目を大きく見開いて
その後は俯いて口を固く結んでしまった