昨日、あんな蒼を見たのは初めてだった
かなりショックを受けていたみたいだけど
これでも気を張って生活しなくても大丈夫だろうと思った

だから、今日はいつも通りの時間に学校に行った
だけど迂闊だった...
もう少し気をつけておくべきだったんだ

学校へ行った私が真っ先に見たのは
A組の前に群がっている生徒の姿だった

初めは何でなのかわからなかった
だけどすぐに理由はわかった

教室に入った途端
クラスメート、他のクラスの人混じっていたけど
大勢の人たちに周りを囲まれた

「ねぇ、柚乃たちが付き合ってるって本当なの?」
「あいつらただの幼なじみだったんじゃないのか?」

みんなが騒いでいる理由は柚乃と遙くんが付き合っているのがバレたから...
なんで?

「ちょっと待って!
誰がそれ言ってたの?」

私がそう言うと
みんな顔を見合わせて首をかしげて
誰からだっけ?
ーが言ってたくない?
いやーだって
そんなことを言い合っていた

すると私を囲んでいた人の輪がまばらになってきていた

人と人
わずかにできた隙間から見えたもの
それは、黒板に書かれた一つの文だった

"唯賀遙と神崎柚乃は付き合っている"

私は人を押しのけて黒板の前まで行き
急いでその文を消した

「誰が書いたの?
ここにいるなら出てきなよ!」

私はそう声を荒げた

「あ、あの...
私、たぶん一番初めに来たんだけど
その時はもう書いてあったよ...」

私にそう言ったのは
どのクラスにも1人はいるようないわゆる地味系の女子で
その子は嘘をつくような子でもなかったから私はその子を信じることにした