柚乃と龍真を会わせて思った
"やっぱり会わせるんじゃなかった"
柚乃は龍真のことを思い出しかけている
俺は醜い心を隠すように言った

｢似てるよな...アイツに｣

事実、柚乃が考えていたことは俺が言ったことと同じだったんだと思う
そのままでいい
龍真とアイツ...蒼を同じものとして見ていればいい
そうすれば思い出すこともないと思うし
必要以上に近づかないだろう

そんなことを考えてホットしていたのに...

｢私と龍真くんって仲良かった？｣

急な柚乃の問に俺はかなり焦った

少し間を取ってから

｢ううん。｣と柚乃の考えを否定した
柚乃は少し顔を曇らせ何か考えているようだった

・・・間を取りすぎて変に思われたか？
そんなことを考えながら、また考えとは真逆のことを言う

｢龍真のことなんでしょ？
2人で一緒に考えようよ
1人で抱え込まないで｣...と

俺はどんな顔をして言葉を口にしていたのだろう
きっと正直な気持ちを言えない臆病者の顔
醜さを隠すために作った笑顔という偽りの仮面をかぶった顔だろう

また自己嫌悪、最悪だ

けど、龍真に柚乃は渡さない
渡すもんか