次の日
玄関を出ると遙だけじゃなく龍真くんも一緒にいて
少し気まずかったけど「おはよう」って言ったら
龍真くんも「おはよう」って返してくれたから少し安心した

昨日はずっと1つの疑問が頭の中をぐるぐると渦巻いていてなかなか眠れなかった

だから私は決心した
逃げずに龍真くんにちゃんと聞こうって

「あ、あのね、龍真くん!」

私は勇気を振り絞って龍真くんに話しかけた

「どうした?」

少し前を歩いていた龍真くんが立ち止まって振り返る
目を合わせたまま数秒が経ってから
私は口を開いた

「私と龍真くんって仲良かったのかな?
小さい頃、私龍真くんと何か約束しなかった?」

「柚乃!」

私の言葉をさえぎるように遙が大きな声をあげる

少し前で振り返ってこっちを見ている龍真くんと
私の横を歩いていた遙の視線がぶつかる

お互いがお互いを睨み合っていて
2人の間には何かあるのだと分かったけど
それが何かまでは分からなかった

いつまで続くのかと思った睨み合いは
意外とあっさり終わりを迎えた

「あぁ~もういいよ
俺の負けで...」

そう言って龍真くんはさっさと歩いて行ってしまった

私の頭の中は?マークでいっぱいで
何だったんだろうとずっと考えていると

「柚乃は気にしなくてもいいよ
俺と龍真の問題だから」

そう言って遙は私の手を取って歩き出した