「ごめんね
私いろいろあって龍真くんのこと覚えてないみたいなの
本当にごめんね
すごく失礼なことだってわかってる
それにこんな風にしか会話できないのも...
遙から聞いてるかもしれないけど
私、男性恐怖症なの
だから最初に謝っておくね
避けることが多いと思いますがよろしくお願いします」

時々俺の顔を見ながら
少しぎこちなかったけど、柚乃はそう言った

このくらいの会話でも柚乃にとっては大分すごいことだったようで
遙は柚乃の頭を優しそうに撫でていた
柚乃の方も嬉しそうで
この2人の関係がそういうものなんだって俺にわからせるには十分だった

何が
"今度は俺が守ってやる"だ
柚乃のことを守れるナイトは俺なんかじゃない...

俺はそっと神崎家を後にした